実態を反映するとはどのようなことか?

会計について語る時、それは「実態を反映していない」
という言葉が使われます。


私もたまに使っているのですが、その「実態」について
少し書いてみようかと思います。


まず、「実態を反映する」は端的にいえば「事実を反映しているかどうか」
だと考えています。


(財務諸表論のテキスト等に定義があればそっちを参考にして下さい)

その会計処理を採用した結果の財務諸表に、会社が行った
事実(行動や取引、状況)が反映されているか。

つまり、その財務諸表を見れば会社が何をしたかわかる

これが、実態を反映しているということです。


さて、


次に「実態を反映するということには実態を反映していない
ことでもある」ということを述べようかと思います。


これは、先入先出法と後入先出法を考えてもらえばわかりますが、

先入先出法はBSで実態を反映するが、PLで実態を反映しない
後入先出法はPLで実態を反映するが、BSで実態を反映しない

という関係です。


ある人が         「BSで実態を反映してるんだぞー!」
といっても、ある人は 「こっちはPLで実態を反映してるんだぞー!」


といえるわけです。


例えば、後入先出法の強制適用にあたっても、出光(石油業界)は
「PLで実態を表さなくなる、なぜLIFOを廃止するんだ?」
とASBJに訴えてました。


結局、実態を反映するかという判断は、その前提として
資産と負債を重視するか、損益を重視するかという「思想」
までさかのぼる必要があるってことです。


日本はIFRSとコンバージェンスをするため、資産と負債を重視する
IFRSの主張を受け入れ、資産と負債を重視する思想を前提として
後入先出法や低価法が「実態を反映する」としています。


しかし、PLの観点では実態を反映しているとは言い切れないのです。


このことは、経理自由の原則にも関係してきます。


比較可能性を重視して単一の会計処理を採用することは、
多種多様な企業の会計事実を必ずしも反映することにはならない
ため、企業に応じた会計処理を採用することができる。


とあったはずです。


このような、LIFO廃止や低価法の強制適用は
企業経営者からポリシー(会計方針)を奪うものでもあるのです。


会計方針は、企業が財務諸表を作成するにあたって採用した
会計処理の原則、手続きならびに表示の方法といわれていますが、


そもそもは、「経営者である私はこう考えています」というポリシー
を意味します。

日本語に翻訳する過程で、この「経営者の考え」というところが
なくなったらしいです。


おわり

ps

低価法は09年3月期から強制適用です。

前倒しで適用してなかったところは、09年3月期で大きな
損を計上するでしょう。

ps

会計士の進路を考えた時、どのような業界でも参入できることは
大きいですよね。

色々な企業を見ているうちに関わりたい業種を見つけて、
その業種に属する企業に入るなり、誰かと起業することができます。

ps

09年は合格者何人出すんでしょうね。

監査法人は人員を絞るといわれている中、08年並みに
3000人出したら今よりも監査法人に入れない人が多くなりますよね。

(昨年は2月頃から監査法人主催の見学会があって軽い
リクルーティングがあってたらしい)

(今年はそのようなことがあってないところを見ると、買い手
有利ということなのだろう)

そうなると、やむやむ一般企業に入って行く人が増えるので
業界としては嬉しいところがあるのかもしれません。

(会計士試験に合格しただけで会計士じゃないなら給料も少なくていいし)

いずれにせよ、就職活動はしっかりやる必要があるってことですね。