償却原価法の要件について
償却原価法が出てくるのは、金銭債権と金銭債務ですが、
金銭債権の場合は、取得価額と債権金額に差があり、
しかもその差が、金利の調整の性格を有している場合です。
しかし、金銭債務は、払込価額と債務の金額に差があるだけで
償却原価法が適用されます。
両者の違いを理解するポイントとなるのは、デフォルトリスクなど
金利の調整以外の要因があるかないかです。
まず債務者側からすれば、契約が成立すればあとは
約定金利を払い、元本を期日に返済する。
自分が支払う側なのでデフォルトなんて考慮する必要が
ありません。
しかし、保有者側では、債権金額より低額で取得すれば
基本的には実質利回りを上げるためだろうと考えられますが、
実はリスクを考慮して低額で取得したかもしれません。
例えば、紛争が起こっている国は、政権が倒れて約束が
反故されるかもしれません。
そういうようなリスクを考えて結果として、債権金額より
低額で購入したならば、その差額は貸し倒れリスクを
考慮していることになります。
ですから、債権を債権金額よりも低い価額又は高い価額で取得
した場合の差額が『約定金利の調整』というような性格をもって
ないと償却原価法が使えないわけです。